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スタッフインタビュー

「共感」と「伴走」のベンチャー支援プラットフォームをつくる

代表取締役社長 池上昌弘
代表取締役 髙橋修一郎

2022.11.09

2020年1月に株式会社リバネスの100%子会社として、会社分割により設立されたリバネスキャピタル。その経緯と必然性、企業としての哲学、そしてこれからリバネスキャピタルが目指す姿について、共同代表を務める池上昌弘と髙橋修一郎が語りました。


経営の「環境開発」を行うプロフェッショナル

池上 リバネスは2002年6月に15人の理工系大学院生が『科学技術の発展と地球貢献を実現する』というビジョンを掲げて設立した会社です。僕も髙橋も創業メンバーで、それぞれCFOとCOOの役割を担ってきました。そして2020年1月に、リバネスを会社分割する形でリバネスキャピタルが設立され、しばらく僕が1人で代表を務めてきたわけですが、2022年8月に髙橋が共同代表に就任しました。今日はこの2人で、リバネスキャピタルが目指すところをざっくばらんに、率直な思いも含めて話せればと思っています。

髙橋 はい、よろしくお願いします。

池上 ではまず、リバネスキャピタルがなぜ生まれたのか、というところからいきましょう。その背景には、僕自身がリバネスの中で感じてきた課題がありました。そもそもの話として、リバネスは修士と博士の研究者集団で、「サイエンスとテクノロジーをわかりやすく伝える」ことを通じて新たな知識をつくりだすことを自らの事業として位置付けています。僕たちの概念で言い換えると、リバネスというのは「サイエンスブリッジコミュニケーター®︎」による「知識製造業」の会社なわけです。

髙橋 しかもサイエンスブリッジコミュニケーター®︎であること、知識製造業の会社であることにとにかく特化して、ピュアであろうとしています。なぜなら、それが『科学技術の発展と地球貢献を実現する』を最速で達成できる方法だと信じているから。

池上 そんなリバネスでは、いわゆるバックオフィス系のチームのことを「環境開発部門」と呼んできました。なぜ環境開発という言葉を使うようになったかといえば、決められたワークフローに沿って管理業務をすることと、リバネスのようなベンチャーにおける管理業務というのは、全く別物なんですよね。自分たちの実感として、ベンチャーの管理業務は「フロントのサポート役」ではなく、「チームを支えるプロ」でなければ務まらない。それはバックオフィス業務ではなく、まさに「経営のための環境開発」なんです。

ベンチャーには「伴走者」が必要だ

髙橋 リバネスでは長年、池上が中心となってその役割を担ってきました。

池上 僕はもともと、自分の中にこれがやりたいという強烈な思いがあるわけではなくて、むしろ他人の情熱に乗っかる側なので。ただし、乗ったからには、その熱を完成形までもっていきたい。リバネスのCFOとして、研究者かつ経営者である創業メンバーがその思いを実現するために、適切なタイミングで資金を調達したり、組織としての形を整えるのが自分の役割だろうと。つまり「伴走者」として本気で応援をする道を選んだわけです。

髙橋 そして、同じ役割を必要としているのはリバネスだけではなかった。僕たちが『創業応援プロジェクト』の一環でベンチャー支援の経験を重ねる中で、「環境開発のプロが強く求められている」という確信を得ることになりました。

池上 その通りです。具体的には、人事、労務、法務、経理などの管理業務を、創業者の隣で担える人。つまり、アントレプレナーがやりたいことを自由に実現できる環境を整えたり、あるいは適切に背中を押していくような、そんな「伴走者」がベンチャーの世界にはもっと必要なんだ、と。

ただ、前述のようにリバネスはサイエンスブリッジコミュニケーター®︎に特化した組織なので、環境開発のチームをつくるスピードを上げにくいという課題がありました。であれば、環境開発部門についてはグループ会社として独立させた方が、リバネスグループ全体としてより効果的な構造になるはずです。リバネスキャピタルの設立は、そういう決断によるものでした。

髙橋 そうですね。実際に独立したことで成長が加速して、本当に良いチームになってきていると思います。

その会社の魂をいかに表現するか

髙橋 環境開発部門で提供するサービスは、すべてリバネスの知識がベースになっています。実際のところ、人事や労務を含む組織のつくり方については、かなりの試行錯誤を重ねてきた自負があります。

池上 本当に、その部分はものすごく時間をかけてきました。

髙橋 例えば社員として新たな仲間を迎え入れるときに、いったい何にもとづいて給与額を決めるのか。僕はそういった規則や制度の中に会社の「魂」が宿ると思うんです。リバネスの場合は、そこを一つずつ試しながら「これはいける」「これは違った」とやってきたわけです。

 
池上 会社を経営するためには、登記や契約書から始まり、法務、人事、労務、財務……と、やらなければならないことが山ほどあります。しかも、全てビジョンを実現するために必要なことではあるけど、それ自体がビジョンに直結するわけではないというもどかしさもある。

じゃあ、今このタイミングでやらなければならないことは何なのか。逆に、今はやらなくてもいいものは何なのか。そういうことを気軽に相談できて、個々のベンチャーにあった適切なバランスの取り方を提案してくれるガイド役がそばにいることで、ビジョン実現のための経営の土台をしっかりとつくることができるはずです。

髙橋 サービスとして画一的なフォーマットを押し付けるのではなく、それぞれのベンチャーのビジョンをきちんと表現できること。その結果として、ベンチャーの事業と組織の成長を加速できること。そこにこそ、リバネスキャピタルの存在価値がありますね。

池上 はい、そしてその鍵を握るのは「人」でしかあり得ないと思います。アントレプレナーの情熱を純粋に応援できるかどうか。そのビジョンを理解できるかどうか。自分が主役ではなくても、チームの成長に喜びを感じられるかどうか。業務のスキルだけではなく、そういった「共感できる力」を強く持っているのが、リバネスキャピタルのメンバーなんです。

髙橋 つまり、リバネスキャピタルの「キャピタル」は「ヒューマンキャピタル」なんだ、と。

池上 その通り。しかもそれはリバネスキャピタルの内側だけにとどまりません。僕たちがこれまでに70社以上のベンチャー支援を行なってきた中で、外部の弁護士、税理士、社会保険労務士といった専門家のネットワークも構築できています。その上で、それらの専門家とベンチャーを適切にブリッジするコミュニケーションを自分たちがしっかりと担っていく。リバネスがサイエンスブリッジコミュニケーター®︎を自らの役割としているように、リバネスキャピタルもやはりコミュニケーターなんです。

同じ船に乗り、一緒に汗をかく

髙橋 リバネスキャピタルには投資開発部門もあります。ベンチャー支援には「環境開発」と同様に投資も重要で、特に我々が支援している研究開発型ベンチャーにとって本当に効果的な投資のあり方を模索する「投資開発」が必要だからです。そして、リバネスキャピタルにはその二つが揃っていることで、「同じ船に乗って、一緒に汗をかきますよ」ということが実現できる。出資関係を結ぶことで、その企業にとってリバネスキャピタルはより相談しやすい相手になり、こちらもより深く思いを共有して的確な支援を行うことができます。

池上 そのプロセスはリバネスキャピタルにとっても重要です。出資先に伴走してさまざまな成長フェーズを間近で見ることが、環境開発の新たなサービスにつながり、環境開発の成長が投資開発の向上につながっていくわけですから。

一方で、出資先の数が増えてくると、残念ながら事業として立ち行かなくなる会社が出てくることも事実です。でも、それが失敗かといえば、僕たちにとってはそうではない。そこには本当に貴重な知識が詰まっているし、そこで苦労をした人は、絶対に次の機会で経験を活かせるはずなんです。リバネスキャピタルは、あらゆるプロセスと結果から学ぶことで、より良いベンチャー支援の仕組みをつくっていきます。なんといっても、僕たちは「研究者」ですから。

髙橋 多様な知識の蓄積の中から、ベンチャーが成長する要因を分析して、その仕組みの核心に迫っていきたいですね。

池上 はい、リバネスキャピタルだからこそ実現できるベンチャー支援のプラットフォームをつくっていきましょう。

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